ハチミツとクローバー
[第9話]
竹本(生田斗真)は自転者での旅を続けていた。旅のなかで何が好きで何が得意なのか、少しずつ整理し始めていた。03/03放送
僕には戻りたい場所がある――だから、この旅が続けられる。
逢いたい人がいる――だから、胸を張れる自分になりたいと。
誇れる友達がいる――だから、挫けそうになっても前に進める、と。
それに気づいたとき、竹本は帰ることを決意した。
森田(成宮寛貴)や竹本は卒業の時期を迎えていた。また、あゆみ(原田夏希)もまた真山(向井理)からの卒業を目指していたのである。そして、はぐみ(成海璃子)も自らの手法でステップアップを目指していた。
真山が行くはずだったプロジェクトに行ってほしいと野宮(柏原 崇)は勅使河原(滝沢沙織)に言われる。一年は鳥取に行きっぱなしになるプロジェクトだ。野宮は「少し、考えさせてほしい」と勅使河原に伝えるが結局、野宮は鳥取行きを承諾する。
自分を見つめ直すたびから戻った竹本は、真っ先にはぐみのところへ――学校へと向かう。そして、はぐみに告白するのだった。
「おれ、はぐちゃんが好きだよ――」
ずっと言いたかった言葉だった。もちろん、はぐちゃんの答えは知っていた。はぐみは森田が好きなのだ。だけど、今まで言えたことが素直に言えたことが嬉しかった。そして、そのあと寮に戻ると、真山・森田、そして森田と再会を喜ぶのだった。
真山は原田(瀬戸朝香)のオフィスに戻っていた。真山は素直に原田の事務所に戻ってよかったと喜んで仕事をする。しかし突然、原田は拠点をスペインに移すと言い出し、航空券を用意するのだった。
「僕は、どうなるんですか」
その問いに原田の答えは「ごめんなさい」の一言だった。落ち込んだ真山は、花本教授(村上淳)に相談に行く。花本の答えは、「ずっと一緒にいたいなら離れるな。そばにいる奴が変えるしかないんだ!」その言葉を聞いた真山は、ある決意をするのだった。
ずっと原田の心に残る、元彼への想い。辛そうな原田を見つめる真山は、原田の手を引っ張り北海道行きの列車に乗り込む。
「行きましょう――小樽へ」真山は、原田に言うのだった。
一方、旅をしている間に竹本はやりたいものを見つけていた――それが、宮大工の仕事だった。それから毎日、竹本は宮大工の本を見ながら、ノミやカンナを使い、彫刻しはじめる。
そんなとき大事故が起きる。なんと、はぐみが転んだその上に、ガラスの破片が降り注いだのだ…。はぐみの手からは真っ赤な血が…。
03/18
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キャスト
花本はぐみ / 成海璃子(なるみりこ)油絵科に所属する18歳。あだ名で『はぐちゃん』などと呼ばれている。はぐみは花本修司の親戚。はぐみの父親が修司の従兄弟なのだ。
ズバ抜けた芸術の才能を持ち、世間から注目を浴びる。しかし、はぐみの外見や言動は決して大学生には見えない子供っぽさ。
さらに加えて、臆病で人見知りな性格を持つ為、竹本らと出会うまで本当の友達という存在が出来たことがなかった。
天才であるが故に修司や竹本等以外からは敬遠されがちで、日々心の奥に孤独を抱えている…。
竹本祐太 / 生田斗真(いくたとうま)
建築科の19歳。周りからは竹本と呼ばれている。はぐみと並ぶこのストーリーの主人公。
母子家庭の環境で育ち、母の面倒を見る事に精を出していたが、母が再婚することになり生きがいをなくしてしまう。
生きる目標を失ってしまった祐太だが、手先が器用だった事が幸いし、美術大学に入学することに…。
素直で、且つ真面目な性格を持つ為、年上の人からは可愛がられる存在ではあるが、超が付く程の世渡り下手。
はぐみとの初対面の際、はぐみに一目惚れするが、当初は祐太自身もその感情に気付いていなかった。
大学卒業が近付いても自らの生きる道を見付けられず、自分が何をしたいのか悩み苦しむのであった…。
森田忍 / 成宮寛貴(なりみやひろき)
彫刻科を8年在籍後に卒業。その後、日本画科3年として再入学を果たす。
現在24歳で通称は森田さん。竹本や真山の先輩にあたるが、竹本と同様に森田もはぐみに一目惚れしてしまうのであった。
美術、CG、映画に歌唱力等あらゆる才能を持っているが、長期間学校を休んだり、単位数が足りなかったり、卒業制作に間に合わなかったりして留年を続けていた。
彼もまた周りの人間には理解し難い、天才と呼ばれるべき人物なのである。
女の子には割とモテるが他人の言葉に耳を貸さない故、彼女はなかなか出来ない。もちろんはぐみにも自分の気持ちを素直に伝えることは出来ず…。
原田理花 / 瀬戸朝香(せとあさか)
原田デザインの経営者である、通称リカさん。美人だが無愛想な性格が災いしなかなか取っ付きにくい。
建築デザイナーとしては、支持するファンも多いが、過去に自分の過失で自分の夫を事故死させた事を悔い、自分を責める毎日ながらも、残された事務所を一人で切り盛りしている。
理花自身も夫をなくした事故により左半身に深い傷を負い、後遺症から移動には杖を手放せない。
修司や真山の優しさを理解しつつも、自分が彼らを傷付けてしまう事を知って距離を置こうとするのであった…。
真山巧 / 向井理(むかいおさむ)
山田あゆみ / 原田夏希(はらだなつき)
勅使河原美和子 / 滝沢沙織(たきざわさおり)
野宮匠 / 柏原崇(かしわばらたかし)
山田大五郎 / 泉谷しげる(いずみやしげる)
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