山田太郎ものがたり
[第5話]
08/03放送

期末試験の成績が発表になった。3年生は今回もまた、太郎(二宮和也)と御村(櫻井翔)が900満点で同点一位だった。

夏休みを前にして、特進クラスでは進路指導が行われることになった。太郎は一年の頃から就職を希望していた。しかし、太郎が貧乏ということを知らない鳥居(吹石一恵)は、それを冗談と捉え、大学進学を勧める。しかし、太郎は「家が貧乏なので無理です」の一点張り。「私じゃ信頼できないのかな……」と落ち込む鳥居。

太郎は家に帰ると、夏を目前にし、子供たちが「アイスが食べたい」「クレヨンほしい」「林間学校に行きたい」など、口々に希望を言われた。ほかにも屋根を修理したり、庭の草むしりをしたり、やることは山積だ。みんなの願いややることを整理するために、太郎は「やることリスト」を作成した。その中で妹のよし子(村中暖奈)が「七夕をやりたい!」と言い出す。

その頃、御村が進路指導を受けていた。御村は進路希望を白紙で出していた。「大学行かないの?」と聞くと、「まだ決めてないだけです」という答えに安堵する。そして、「山田くんはどうなのかな」と御村に聞くと、全てを知っている御村は「家庭訪問したら?」とアドバイスをする。

隆子(多部未華子)と正美(大塚ちひろ)がお茶していると、杉浦(忍成修吾)がやってきた。クラス委員は掃除をしなければいけないというのだ。2人は学校に戻り、隆子は少しだけ置いていかれた気分になる。

鳥居はさっそく、山田家を訪れてみた。その外観を見て、本当に貧乏らしい……と愕然とする鳥居。
鳥居が部屋に入ると、太郎は家事をしていた。「何のお話でしょうか」ときく綾子(菊池桃子)に「進学のことで……」と切り出す。「ご覧のとおりです。大学に行く余裕なんて」という太郎に、鳥居は奨学金制度もあるというが、「金は借りるな! 返せない!」が我が家の家訓ですから、と取り合わない。

太郎の家庭環境を知った鳥居は一ノ宮校長(宇津井健)に抗議をする。校長は「彼は特待生で学費は免除ですし、なにより、彼は大学というものに魅力を感じていないんじゃないでしょうか。彼がどういう道に進みたいのか、鳥居先生がどのような道に導くのかが大事なのでは?」と返事をする。

太郎は御村に、昨日、鳥居が来たことを伝えた。やりたいことがないのかと聞かれ、「野菜の品種改良には興味があるけど、うちの畑の方が大事かな」と笑う。御村も家を継ぐつもりだから、大学に行ってもムダだと考えている。

一方、隆子は太郎が貧乏だと知ってから、まともに太郎と目を合わせられなくなった。玉の輿に乗ることが夢の隆子にとって、貧乏な太郎は本来恋愛対象にならないのだ。ある日の帰り道、御村が隆子を誘い、運転手つきの車に乗せる。その嬉しさに隆子は「御村くんと私がつきあうってことはない?」と御村に言うが、御村はあっさり「100%ない」と言い切る。ガーンとショックを受け、「私の第一志望は玉の輿」と言う隆子に、御村は「お金以外に大事なものがあるんじゃねーの」と言う。しかし、隆子にはお金以外、大事なものなど思いつかない。

校長から、永原(吉沢悠)に会ってみてはどうかとアドバイスされた鳥居は、彼の元を尋ね、太郎の大学進学の手助けを頼む。しかし、自分には何もメリットもないからと断られる。それでもなお頼もうとすると、永原は交換条件を出した。「鳥居ちゃん、そろそろぼくの嫁になりなさい」。鳥居は本気ととらなかったが、永原に「彼に進学の意志がないのは君の無力さにある。とにかくそれは君の仕事だ」と言われ、その場を逃げるように去る。

そして、奨学金などの資料を集めた鳥居は、再び太郎の家に行く。今度はきちんとお土産を持って。しかし、太郎はそれでも「進学する気はない」とつげ、アルバイトにでかける。鳥居は慌ててついていくが、太郎は忙しく、きちんと話を聞こうとしない。

その日、太郎は家族と七夕のお願い事を短冊に書いて、笹に飾った。思い思いの短冊を吊るす中、よし子が「新しい洋服が欲しい」と書いた。お友達とお祭りに行くというよし子に太郎が「彼氏?」と聞くと、よし子が顔を真っ赤にし、否定しなかった。ショックを受ける太郎。

翌日、太郎は御村に「小学校4年生の女の子がデートで着たい服ってなにかな?」と聞く。御村に隆子みたいな女の子に聞いたほうがいいのでは? と言われ、太郎は相談を持ちかける。隆子に「浴衣じゃない?」と言われ、思わず隆子の手を掴んで「ありがとう」と笑顔になる太郎。思わずその笑顔に吸い寄せられてしまう隆子。しかし、浴衣の値段を聞いた太郎は「布から作るしかないか……」と思う。そんな時、杉浦が応援旗を捨てるためにやってきた。その旗をもらった太郎は、「ありがとう」と杉浦をハグする。

家に帰った太郎は、その旗を広げて愕然とする。そこには「必勝」などの文字が描かれていたのだ。それでも何とかなるさと太郎は浴衣を作り始める。しかし、かわいい柄にならず、作りすすめることができなかった。そこに、隆子がやってきた。隆子は自分が小さい頃に使っていた浴衣を持ってきたのだ。隆子はどうしても太郎の喜ぶ顔が見たかったのだ。途方にくれていた太郎は、「ありがとう〜」と感激し、思わず隆子に抱きついてしまう。翌日、その浴衣を着たよし子は大喜びでおまつりにでかけた。

その頃、鳥居は御村に、太郎の進学は「あなたが説得したほうがいいと思う」と頼み込む。御村は「あいつは大学に行きたくないんじゃなくて、行かなくてもいい理由がたくさんあるんですよ」という。その視線の先には、浴衣を着たよし子を囲んだ太郎たちがいた。

夜、おまつりで隆子に出会ったよし子は、隆子に浴衣のお礼をいい、小声で「あんちゃんのこと、よろしくお願いします」と囁いた。一方の太郎は、よし子のボーイフレンドを見て、がっくりする。
そこに弟たちが「あんちゃん、やることリスト追加!」と走ってきた。それは輪投げだった。太郎たち一家が狙うのは1等ではなく、3等の大玉すいかだった。家族の応援のなか、あと1本……というとき、御村が交代すると名乗り出た。そして……見事、大玉すいかを手に入れたのだった! 大喜びで幸せそうな山田家を、御村はほほえましく見つめていた。
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07/13 第2話


07/06 第1話

キャスト
山田太郎 / 二宮和也(にのみやかずなり)
主人公。カッコよく、成績優秀でスポーツも万能。そして女子たちをとりこにするスマイル――名門・私立一ノ宮高校に通う、「日本一彼氏にしたい高校生」。そんな全てを兼ね備えているアイドルであるため、まわりからは相当な「おぼっちゃま」だろうと思われいるが、実は超貧乏。幼い弟妹を養うため、毎日アルバイトに精を出し、家事をこなす苦労人である。その節約ぶりは熟練した主婦のようだ。
一ノ宮高校に入れたのは、高校始まって以来、4人しかいないといわれる特待生であり、校長のお気に入りでもあるから。
そんな彼にとって、一番大切なのは「家族」。家族のために、今日も頑張れるのだ。
御村託也 / 櫻井翔(さくらいしょう)
一ノ宮高校三年生。日本を代表する華道の家元の孫であり、大豪邸に住む正真正銘のおぼっちゃま。正反対の境遇である太郎と、女子の人気を二分している。無表情で感情を表に出さないタイプだったが「彼なら俺を笑わせてくれるかもしれない」と期待し、「おもしろい」太郎に近づいていく。
そのうちに、太郎の家が「ド貧乏」であることを知り、太郎とその家族をサポートする。そして、ふたりは親友となってゆく。
池上隆子 / 多部未華子(たべみかこ)
一ノ宮高校三年生で、中流階級の普通の家族に囲まれ普通に毎日を過ごす普通の女の子。
一ノ宮高校には必死の勉強で合格した頑張り屋さん。
彼女自身は貧乏ではないのだが、スーパーの特売で店員に値切り交渉を始める母や、ステテコ姿で家中を歩き回りおならをする父に囲まれた家庭環境が嫌い。
人生の目標は「玉の輿に乗る」こと。
山田和夫 / 松岡充(まつおかみつる)
太郎の父。元は開業医の一人息子で、将来は医者になるよう、レールを敷かれてきた。
しかし、高校生の時、綾子と出会い、恋に落ち、子供を授かる。親には勘当され、学費もストップされたが、特待生として一ノ宮高校を卒業し、ストレートで東京藝術大学に進学した。
大学院まで進み「天才すぎて、一般人には理解されない画家」として注目を浴びるが、本人にその自覚はない。現在は海外を放浪し、ひたすら自由に楽しくくらしている。抜群の容姿と天真爛漫さで女性は近づいてくるが、実は綾子以外の女性には興味がない。
少女から老婆まで多くの女性に貢がれるが、本人は「世の中いい人ばっかりだなぁ」としか思っていない。
杉浦圭一 / 忍成修吾(おしなりしゅうご)
一ノ宮高校三年生で特別進学クラス。
かなりのナルシストで、社長の息子というおぼっちゃまであるため、相手が誰であろうが、張り合いたがる。見た目はかっこよく、入学当初は太郎や御村と主意を争っていた。が、あまりのナルシストぶりに人気は低下し、今では二人に大きく差をつけられている。
しかし、太郎よりは絶対に優れていると信じているため、女子の人気が太郎にいくのが許せない。ことあるごとに太郎に対抗し、人気挽回のチャンスを狙っている。

山田綾子 / 菊池桃子(きくちももこ)
太郎の母。子供の頃から身体が弱く、あまり外で遊ばなかった。
元々は華族の末裔で、大企業の社長の一人娘としてこの世に誕生したが、綾子が生まれると同時に、母親は死に、父の会社も傾いた。その心労により、父親も病に倒れ、治療費で財産もなくなった。
しかし、生まれのよさからか、人を疑ったりという下世話な心を持たず、周りの人々を幸せにする愛くるしさと優しさに満ちている。その一方で、世間知らずであること、そして、ヘソクリの隠し場所を本能的に嗅ぎつける天性の勘があることで、一家を支える太郎をいつも苦境に陥れる。彼女が神様からの贈り物だと思っている金は、いつも太郎がアルバイトで貯めた生活費と下の子たちの給食費であり、彼女がみんなのためにと思って買ってきたものはたいてい役にたたない。しかし、夫の和夫にかわって、なんとか子供たちを助けたいと思っている。
中井正美 / 大塚ちひろ(おおつかちひろ)
一ノ宮高校三年生で特進(特別進学)クラスの生徒。
明るい性格でクラスのムードメーカー。
憧れの存在である太郎(二宮和也)や御村(櫻井翔)に対してとても積極的。
安藤政樹 / 山田親太朗(やまだしんたろう)
私立一ノ宮高等学校特進(特別進学)クラスの生徒。
ルックスに人気はあるものの、性格が読みきれないキャラクター。
鳥居京子 / 吹石一恵(ふきいしかずえ)
太郎(二宮和也)たちの担任で一ノ宮高校では、一番若い女性教師。
生徒たちから可愛いと人気はあるが、教師たちの間では「ちょっと頼りない新人」というポジションにいる。緊張しやすいキャラクターでガチガチになることがとても多い。
永原眞実 / 吉沢悠(よしざわゆう)
名門、城南学院大学・農学部の准教授。
史上最年少で准教授の地位まで登りつめた、世界的にも超有名な天才学者。
常にクールで沈着冷静で学生たちから「鉄の男」と恐れられている。
性格は超が付くほどのドSで、Mなターゲットを見つけてはネチネチ追い込んでいく。
しかしそんな時でも常にクール。
一ノ宮校長 / 宇津井健(うついけん)
私立一ノ宮高校の校長。一ノ宮高校が日本有数の名門私立高校となったのは、この男の存在があったからとも言われている。
校長といっても一教育者として生徒に接しており、生徒からの評判も高い。

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