山田太郎ものがたり
[第8話]
二学期が始まり、太郎(二宮和也)にとってあわただしい日々が戻ってきた。08/24放送
学年トップの太郎だったが、相変わらず進学ではなく就職を希望していた。担任の鳥居(吹石一恵)は、一ノ宮校長(宇津井健)に、太郎の大学進学について相談する。しかし、「山田くんは彼自身の幸せを見つけているから」と一ノ宮は言う。しかし、「校長は山田くんが大学にいかなくてもいいんですか!」とつっかかると、「そうは言っていない」という。
そこに御村(桜井翔)がやってきた。そんな彼に、「私とゲームをしませんか」とトランプを取り出す。一ノ宮と御村、鳥居の三人のうち誰が一番初めに、太郎に進学への興味を抱かせるかゲームしようと言うのだ。鳥居は不謹慎だと反発するが、御村はすぐに校長の意図を察し、すぐに乗った。
放課後、御村は太郎を誘い、城南大学に連れて行く。果物のバイオ栽培に力を入れている永原(吉沢悠)の研究室につれていきうつもりだったのだ。太郎が興味を持っていた「野菜の品種改良」「広い農園」「もしかしたら野菜もらえるかも」という魅力的な言葉を並べる御村。当初、用があると言っていた太郎だったが、「僕もちょっとだけ寄っていこうかな」と考えを変える。
研究室は太郎にとって魅力的なところで、目を輝かせる。御村の意図を察した永原は「大学の支援で野菜や果物が好きなだけ作れる」と吹き込む。「試食していいよ」と言われたぶどうを食べている太郎に、「じゃあ、自分でつくってみれば」と御村は言うが、太郎は「食べるほうに興味があるし」と言って帰ろうとする。永原はそんな太郎に、今度の学会で発表する資料を渡す。そして、御村には「なかなか手ごわいね。校長先生に話を聞いて、彼を研究してみたくなった」とニヤリと笑う。
ある日、杉浦が街中で割ぽう着姿の太郎を目撃する。杉浦は太郎に「恋」してしまっているため、気になって気になって仕方がなかったのだ。
その夜、太郎の家の外で大きな物音がした。様子を伺っていた綾子(菊池桃子)が「和夫さん……?」とつぶやく。半信半疑で太郎がドアを開けると、そこには父親の和夫(松岡充)が帰ってきていた。友達に絵をプレゼントするためなのだという。
翌朝、杉浦は「太郎が貧乏だ」とクラス中に触れ回る。本当のことを知っている隆子(多部未華子)は激しく動揺する。そして、杉浦が逆に責められるはめに。すると、杉浦は苦し紛れに御村に「あいつの家って貧乏だって知ってる?」と聞く。御村は一瞬、どう答えようか迷った。隆子は念を送るが、御村は「今頃気づいたの?」といい、築45年の木造の家に家族で住んでいて、太郎がバイトして家計を助けていると話す。が、クラスメイトはぷっと吹き出す。そこまで行くと逆に現実味がないからだ。
綾子と和夫はお友達のウメに絵を届けに出かけた。和夫は太郎が大学をどうするのかと綾子に聞くと、太郎には興味がないらしいと答える。それを聞いた和夫は「太郎の好きなようにさせてやろうよ」という。綾子もそのつもりだった。
一方、太郎と御村はまた永原の研究室を訪ねていた。太郎は永原に昨日借りた資料を返した。「おもしろくて1日で読んでしまいました」と。そして、自分なりのレポートを書いていた。そのレポートを読みながら、永原はなんとしても彼を研究室にいれたいと思うのだった。
和夫と綾子がウメの家に到着した。そこは、お城のような大豪邸で興奮する綾子。家の中には和夫が描いた絵が並べて飾られていた。
するとウメは言った。自分は海外に移住しようと思っている。だから、山田一家がここに住んでくれないかと。
それを聞いた山田家一家はおおはしゃぎ。ただ太郎だけが「本当かなあ」と信じない。そんな太郎に、和夫は「おまえが決めろ」と決定を委ねた。
翌朝、杉浦は「ラーメン屋のバイトをしている太郎を見た」とクラスに触れ回る。杉浦は昨日、太郎を尾行したのだ。隆子はなんとか太郎をかばおうとするが、一蹴されてしまう。そして、また杉浦に非難が集まる。と、杉浦は「そんなことはしない! おれは山田が好きなんだ!」と宣言する。
太郎は豪邸に住む生活をどう思うか、御村に相談していた。簡単に大きな家に住めてしまうことが幸せなのかと迷っていたのだ。そんな太郎に御村は「おまえにとって一番大切なものって何だ?」と聞くが、太郎は答えられない。
家に帰り、豪邸に住むことを心から喜んでいる弟や妹たちの顔を見て、太郎は決意する。
一方、太郎の貧乏話は学校中に知れ渡っていた。それが鳥居の耳にも入り、隆子同様に動揺する。隆子は御村に、鳥居は一ノ宮に相談する。御村は「あいつは隠していたわけじゃないし、バレたら誰が困るのか? おまえはそれを知ってどう思った? あいつのことが嫌いになったか?」と問う。一ノ宮も「バレたとして変わるなら、他の生徒たちです。いつのまにかこの学校は温室育ちの子ばかりになってしまったから」と鳥居を勇気付ける。
放課後、太郎のあとをクラス中の生徒が尾けていた。御村と隆子はそれを見守るしかない。しかし、太郎が行った先は、あの大豪邸だった。勝手に門が開き、その中を入っていく太郎。それを見たクラスメイトは、真実がわけがわからなくなった。そこにやってきた隆子と御村に「ここが山田くんのうちだよ!」と興奮するクラスメイトたち。「本当の王子様になったんだ……」と隆子も少し喜ぶが、御村だけが浮かない顔をして、そこを去った。
太郎が大豪邸に入ると、たくさんの召使いに囲まれ、綺麗な服を身にまとった家族に迎えられた。太郎は自分の部屋に入るが、今までの家よりも数倍広く、しかもプールつきで落ち着かない。家族にとって、これで本当によかったのだろうかと、太郎はひとり考えていた。
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キャスト
山田太郎 / 二宮和也(にのみやかずなり)主人公。カッコよく、成績優秀でスポーツも万能。そして女子たちをとりこにするスマイル――名門・私立一ノ宮高校に通う、「日本一彼氏にしたい高校生」。そんな全てを兼ね備えているアイドルであるため、まわりからは相当な「おぼっちゃま」だろうと思われいるが、実は超貧乏。幼い弟妹を養うため、毎日アルバイトに精を出し、家事をこなす苦労人である。その節約ぶりは熟練した主婦のようだ。
一ノ宮高校に入れたのは、高校始まって以来、4人しかいないといわれる特待生であり、校長のお気に入りでもあるから。
そんな彼にとって、一番大切なのは「家族」。家族のために、今日も頑張れるのだ。
御村託也 / 櫻井翔(さくらいしょう)
一ノ宮高校三年生。日本を代表する華道の家元の孫であり、大豪邸に住む正真正銘のおぼっちゃま。正反対の境遇である太郎と、女子の人気を二分している。無表情で感情を表に出さないタイプだったが「彼なら俺を笑わせてくれるかもしれない」と期待し、「おもしろい」太郎に近づいていく。
そのうちに、太郎の家が「ド貧乏」であることを知り、太郎とその家族をサポートする。そして、ふたりは親友となってゆく。
池上隆子 / 多部未華子(たべみかこ)
一ノ宮高校三年生で、中流階級の普通の家族に囲まれ普通に毎日を過ごす普通の女の子。
一ノ宮高校には必死の勉強で合格した頑張り屋さん。
彼女自身は貧乏ではないのだが、スーパーの特売で店員に値切り交渉を始める母や、ステテコ姿で家中を歩き回りおならをする父に囲まれた家庭環境が嫌い。
人生の目標は「玉の輿に乗る」こと。
山田和夫 / 松岡充(まつおかみつる)
太郎の父。元は開業医の一人息子で、将来は医者になるよう、レールを敷かれてきた。
しかし、高校生の時、綾子と出会い、恋に落ち、子供を授かる。親には勘当され、学費もストップされたが、特待生として一ノ宮高校を卒業し、ストレートで東京藝術大学に進学した。
大学院まで進み「天才すぎて、一般人には理解されない画家」として注目を浴びるが、本人にその自覚はない。現在は海外を放浪し、ひたすら自由に楽しくくらしている。抜群の容姿と天真爛漫さで女性は近づいてくるが、実は綾子以外の女性には興味がない。
少女から老婆まで多くの女性に貢がれるが、本人は「世の中いい人ばっかりだなぁ」としか思っていない。
杉浦圭一 / 忍成修吾(おしなりしゅうご)
一ノ宮高校三年生で特別進学クラス。
かなりのナルシストで、社長の息子というおぼっちゃまであるため、相手が誰であろうが、張り合いたがる。見た目はかっこよく、入学当初は太郎や御村と主意を争っていた。が、あまりのナルシストぶりに人気は低下し、今では二人に大きく差をつけられている。
しかし、太郎よりは絶対に優れていると信じているため、女子の人気が太郎にいくのが許せない。ことあるごとに太郎に対抗し、人気挽回のチャンスを狙っている。
山田綾子 / 菊池桃子(きくちももこ)
太郎の母。子供の頃から身体が弱く、あまり外で遊ばなかった。
元々は華族の末裔で、大企業の社長の一人娘としてこの世に誕生したが、綾子が生まれると同時に、母親は死に、父の会社も傾いた。その心労により、父親も病に倒れ、治療費で財産もなくなった。
しかし、生まれのよさからか、人を疑ったりという下世話な心を持たず、周りの人々を幸せにする愛くるしさと優しさに満ちている。その一方で、世間知らずであること、そして、ヘソクリの隠し場所を本能的に嗅ぎつける天性の勘があることで、一家を支える太郎をいつも苦境に陥れる。彼女が神様からの贈り物だと思っている金は、いつも太郎がアルバイトで貯めた生活費と下の子たちの給食費であり、彼女がみんなのためにと思って買ってきたものはたいてい役にたたない。しかし、夫の和夫にかわって、なんとか子供たちを助けたいと思っている。
中井正美 / 大塚ちひろ(おおつかちひろ)
一ノ宮高校三年生で特進(特別進学)クラスの生徒。
明るい性格でクラスのムードメーカー。
憧れの存在である太郎(二宮和也)や御村(櫻井翔)に対してとても積極的。
安藤政樹 / 山田親太朗(やまだしんたろう)
私立一ノ宮高等学校特進(特別進学)クラスの生徒。
ルックスに人気はあるものの、性格が読みきれないキャラクター。
鳥居京子 / 吹石一恵(ふきいしかずえ)
太郎(二宮和也)たちの担任で一ノ宮高校では、一番若い女性教師。
生徒たちから可愛いと人気はあるが、教師たちの間では「ちょっと頼りない新人」というポジションにいる。緊張しやすいキャラクターでガチガチになることがとても多い。
永原眞実 / 吉沢悠(よしざわゆう)
名門、城南学院大学・農学部の准教授。
史上最年少で准教授の地位まで登りつめた、世界的にも超有名な天才学者。
常にクールで沈着冷静で学生たちから「鉄の男」と恐れられている。
性格は超が付くほどのドSで、Mなターゲットを見つけてはネチネチ追い込んでいく。
しかしそんな時でも常にクール。
一ノ宮校長 / 宇津井健(うついけん)
私立一ノ宮高校の校長。一ノ宮高校が日本有数の名門私立高校となったのは、この男の存在があったからとも言われている。
校長といっても一教育者として生徒に接しており、生徒からの評判も高い。
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