ファーストキス
[第9話]
09/03放送

秋生(平岡祐太)への思いを捨ててロサンゼルスに帰ることを決意した美緒(井上真央)は着々と帰国準備を始める。和樹(伊藤英明)はなんとか止めようとするが、美緒は取り合わない。そこに携帯電話に秋生からの連絡が入った。しかし美緒は、その電話に出ようとはしなかった。

秋生が青木(柴俊夫)に「彼女と別れない」と宣言したことを心配し、蓮子(松雪泰子)は秋生と話に行く。そして、美緒が苦しんで選んだ別れなのに、付き合いを続けるつもりということは結果的に彼女を傷つけることにならないかと聞くが、秋生は自信に満ちた表情で「大丈夫だと信じています」と言うのだった。

和樹は矛盾したことを言っていると知りながら、帰国することを秋生に教えなくてもいいのか、と美緒に問いかける。美緒は、そんな和樹に、もう秋生とは会わないし、電話もしないつもりだから明日出発することも教えないでほしい、と返す。そして、逆に和樹に、パリ行きの仕事の件はどうなったのか、と尋ねる。勝(阿部サダヲ)や一流(劇団ひとり)から、和樹が自分からその話を断っていたことを知った美緒は、逃げているだけだと非難した。美緒と口論になった和樹は家を飛び出した。一流はそんな和樹の後を追うと、半ば強引に彼を白鷺大学付属病院に向かわせた。

家に残った勝は、美緒に和樹のことをフォローする。「お兄ちゃんは友達には恵まれたみたいだね」と美緒はいい、「ちょっとつきあってくれる?」と勝を誘った。

その頃、秋生は、教授の青木から、「函館医大に行ってほしい」と命じられる。偶然、そこにやってきた蓮子(松雪泰子)は、明日行われる手術の助手を秋生に務めさせたい、と青木に申し出る。蓮子は、秋生が外科医として成長している姿を見てから転勤させるかどうかの判断をしてほしい、と進言し、青木の了解を得る。そして、秋生に「美緒とのことを許したわけではない。でも、外科医として一人前になりなさい」といった。

一方、美緒は勝(阿部サダヲ)とともに、番場(竹中直人)を訪ねる。そして美緒は、和樹は本当は行きたくて行きたくてたまらないのに、自分のせいでいい写真が撮れなかった。でも、自分は明日ロスに帰る。だから、もう一度、和樹にパリ行きのチャンスを与えて欲しい、と頼み、かつて和樹が撮った写真を見せる。すると番場は「写真は一瞬のチャンスを逃さないものだ。自分からチャンスを捨てるようなやつに二度とチャンスはない」と断った。それでも美緒は番場に頼み込むが……。

和樹は病院で秋生を待っていた。さっき蓮子にことづけておいたのだ。が、そこにやってきたのは蓮子だった。そして、今は秋生にとって大事な時期だから、という。「わかりました」と帰ろうとする和樹に、蓮子は「帰国の日は決まったのですか?」と訪ねる。和樹は「明日です」と答えるが、美緒に止められているからと、秋生には言わないでくれと告げる。

番場のところからの帰り道、美緒は勝に「お兄ちゃんのこと、頼むね」と言った。勝は「本当に帰っちゃうのか?」と聞くが、美緒は「もう決めたから」とサラリと答える。そこに和樹が帰ってきた。浮かない顔をしている和樹に「私がかえっちゃうのが寂しいんだ」とからかうようにいうと、和樹は「そんなこと……あるよ」と答えた。美緒は「お兄ちゃんありがとう。この2カ月、楽しかった。お兄ちゃんに会えてよかった」と和樹の背中によっかかりながら、つぶやいた。

そして帰国当日。
美緒は笑顔で勝と一流に別れを告げる。その時、和樹のもとに番場から連絡があった。「今すぐ来い」という。迷う和樹をけしかけ、「行けば」という美緒。誰も送っていく人がいないという時に、ちょうどはるな(酒井若菜)がやってきた。美緒はちょうどよかったとばかりにはるなにつきそいを頼む。そして、美緒は勝、一流、「お世話になりました」と改めて言い、和樹には、「私、頑張る。だから、お兄ちゃんも頑張れ」と手を振った。
美緒が空港へのリムジンバスに乗り込むと、「なんとなくもう少しいたくて」とはるなが乗ってきた。

番場に呼び出された和樹と後輩の諸畑(蕨野友也)だったが、「今回はどちらもいかさないことにした」という。和樹が捨てた美緒の写真には少なくともパッションが感じられたが、家族のことに振りまわされてはいけないといわれた。その姿を見た勝は、実は昨日、美緒が番場のところに来たと打ち明ける。

バスの中で、はるなは「私だったら電話ぐらいするけど。ちゃんとお別れしたいし」と美緒に言う。が、美緒は「好きだから、悲しい思いしたくないんだ」と話す。その時、美緒の携帯に秋生から着信があったが、美緒はまた電源を切ってしまう。

一方、秋生はまもなくオペが始まろうとしていた。蓮子が「心の準備はいい?」と確認したところに、和樹がむりやり入ってくる。蓮子は「オペが終わってからにしてくれ」というが、和樹は「自分ならすべて終わったあとに聞くのはいやだ。自分でいろんなことを乗り越え、大事な仕事に向かいたい」という。それを聞いた蓮子は「5分だけなら」とそれを許す。
和樹から、美緒の出発が今日だと聞いた秋生は「ぼくはさよならを言う気はありません。どんなことをしても彼女に会うつもりです。そのためにもオペを成功させたいと思っています」ときっぱり言った。和樹は秋生の手をとり、「ありがとう。その言葉、美緒に伝えます」と言い残し、空港に向かった。


美緒とはるなは空港に到着した。
美緒ははるなに別れを告げ、チェックインしようとする。と、はるなが美緒をぎゅっと抱きしめ、「先生だと思って抱きつきな」と言った。美緒にとってははるなのそんなぶっきらぼうな優しさが嬉しい。
空港に和樹がやってきた。そして美緒を探しまくるが、美緒はもう登場ゲートにむかっていた。偶然出会ったはるなに会った和樹は、「どうしても美緒に伝えたいことがあるのに」と言う。
一方、美緒は秋生に電話をしたかったが、すでに彼の電話番号は消去してしまっていた。そして、かかることのない電話に向かって、秋生への別れのメッセージを話し始める。
その時、美緒を呼び出すアナウンスがかかった。和樹とはるなが呼び出したのだ。しかし、美緒は来る気配はない。はるなと手分けして探しているとき、はるなが美緒を見つけた。それに和樹も気づく。そして、美緒に「先生は別れないって言ってた。どんなことをしてもおまえに会いに行くって言ってくれた。一人前の医者になるのがおまえとの約束だからって。お兄ちゃん、もう反対しない」と継げる。そんな和樹に美緒は「バッカじゃないの。向こうからくればいいのに。迷惑でしょ」と強がる。が、その時、和樹はその場に崩れ落ちてしまった。
「お兄ちゃん!」
和樹は薄れ行く意識の中で、自分が死ぬのなら、かわりに美緒の命を助けてやってほしいとぼんやり考えていた。
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07/09 第1話

キャスト
福永美緒 [age20] / 井上真央(いのうえまお)
病気療養のため、ロスにいた和樹の妹。
10年前に両親が離婚し、母親は美緒を引き取り、ロスに連れて行ったのだ。
この夏、完治のための手術を受けられることになったが、それは命にかかわる難しい手術で成功率は高くない。まだ20歳の美緒にとっては、手術はつらい選択だ。まだ恋もしたことがない美緒は、オペをする前に好きな事をしておきたい、どうせ死ぬなら思い残すことなく、なんでもしておきたいと日本にやってきたのだ。
以前はかわいらしい少女だったが、病気のために甘やかされ、今ではとても生意気でワガママな女の子になってしまった。そして、10年ぶりの兄との再会。
「美緒の願い事は、いつだってお兄ちゃんがかなえてやるよ」という昔の約束を思い出し、今まで出来なかったことを、ここぞとばかりに兄の和樹に要求する。美緒の手術のことを知っている和樹は願いを叶えるために奮闘する。美緒はステキな恋、そして最高のファースト・キスができるのか?


加納和樹 [age28] / 伊藤英明(いとうひであき)
美緒の兄。カメラマン志望だが、いまだアシスタント。
10年前に両親の離婚で別れ別れになるまでは、志高くカメラマンになる夢を持っていた。
しかし、父が新しい妻と暮らすために家を出、ひとり暮らしとなってからは、女たらしのだらしない生活を送っていた。それでも、なんとかプロになりたいと有名なカメラマンの弟子となった。が、その師匠とそりがあわず、仕事に限界を感じてもいた。
今は、仕事仲間でもあり、高校時代の部活仲間でもある、悪友の家に転がり込み、怠惰な共同生活を送っている。そこへ、妹の突然の帰国。10年振りの再会ということもあり、無理やり生活を取り繕うとする。しかし、和樹に劣らず、美緒も変わり、驚くほどのワガママ娘になっていた。こうして、ひと夏、そんな妹に翻弄されることとなる。


二階堂勝 [age30] / 阿部サダヲ(あべさだを)
和樹と同居中のスタイリスト・アシスタント。
高校時代、卓球に熱中していたが、あるきっかけがあり、ファッション界に興味を持つ。そして、無謀にもスタイリストの道へ。しかし、その才能はなかなか開花しない。今は後輩で、職場も同じところの一流の家に、和樹とともに転がり込んでいる。


進藤一流 [age28] / 劇団ひとり(げきだんひとり)
和樹と同居しているメイクアップアーティスト。こちらはアシスタントではない。
元々、親が所有していた家に一人暮らしをしていたが、高校時代からの悪友・和樹と勝が転がり込んできて、共同生活をするはめになった。家事は三人で分担するはずだったが、気がつくと、自分ひとりがやらされている……。


結城秋生 [age26] / 平岡祐太(ひらおかゆうた)
美緒の日本での担当医がいる白鷺大学付属病院の新人医師。
美緒のはじめての採血の際、「痛い!へたくそ」とののしられ、「嫌な患者だ」と思うが、どこか気になる存在で、不思議と心が通じ合うことも。その後も、何かと美緒の助けになることが多いが、ふたりとも、あえてつっけんどんな態度を取る。


斉藤はるな [age27] / 酒井若菜(さかいわかな)
銀行員で、ファッション雑誌の読者モデル。和樹のルックスに惚れていて、自分は彼と付き合っているつもりでいる。時折、お小遣いをあげたりしていたが、他に女がいることに気づき、「お金返して」と和樹の家を訪れる。そんなとき、美緒と知り合い、憎まれ口を叩きながらも何故か意気投合、人生初の親友となっていく。


番場大 [age50] / 竹中直人(たけなかなおと)
個性派の有名カメラマン。自分のスタジオを持っており、主な仕事はファッション誌のグラビア撮影。アシスタントに厳しく、衝突することも多い。和樹もその一人だったが、番場としては和樹の才能はどこか認めている。
高木蓮子[Age33] / 松雪泰子(まつゆきやすこ)

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