ファーストキス
[第1話]
福永美緒（井上真央）は今まさにロサンゼルスで大手術を行おうとしていた。手術台の上で生きたいと願う美緒。07/09放送
時は2ヶ月前にさかのぼる・・・。
美緒は公園でいつものように子供をからかっていた、その日は母親・りえ子（夏木マリ）と病院に行く日、そこで美緒の担当医である高木（松雪泰子）に手術の話を聞かされる。
美緒は心臓に大きな病を患っていた。今度の手術は大変難しい手術で、成功率は５０％だという。
最悪の場合も想定されると聞いた母は少し考えたいと言いだす。しかし美緒は違う、常に死を意識してきた美緒に不安はない、むしろ前向きに手術を捉えていた。
美緒は手術を受ける決意をする、そして高木にお願いをする、手術の前に旅行をさせて欲しいと。
高木は悩むが、美緒は「これで最後になるかもしれない」と泣いてすがる、それは美緒の得意な泣き真似であると知らずに。
場所は日本、美緒の兄・加納和樹（伊藤英明）はその顔を武器に女性のヒモのような生活を繰り返していた。
高校からの悪友・進藤一流（劇団ひとり）の家に居候する和樹と二階堂勝（阿部サダヲ）。
そこへ突然、美緒から電話がくる。近況を聞かれた和樹は写真家の夢に着々と近づき、代官山の一軒家に住んでいると大嘘をつく。
それを聞いた美緒は、15時に成田に迎えに来てとワガママを言い、電話をきる。美緒は10年間離れ離れだった兄へ会いに、日本に遊びに行こうとしていたのだ。
成田空港へ美緒を迎えに行く和樹、しかし進藤と二階堂まで妹との再会見たさについてきてしまう。
和樹は10年前の記憶をたどり、生まれつきな病弱でまるで綿菓子のような妹なんだと進藤らに説明していると・・・
出口から美緒が元気よく登場、そして和樹を華麗に通り過ぎると後ろにいた巨漢の見知らぬ男をお兄ちゃんと呼んだのだ。
そう、和樹は10年前とても太っていた・・・。しかし美緒は最初から兄を知っていた、からかっただけなのだ。
病弱で綿菓子だと思っていた男3人は唖然、しかも和樹が進藤と二階堂を紹介するとルームメイトが男だなんてゲイ？と疑う始末。昔の妹とは別人のようにワガママで横柄な美緒を見て驚きがかくせない和樹。
美緒は家に着くと、しばらくここに住むと伝える、進藤と二階堂は大困惑。美緒はそんな2人を目の前に座らせ、自分が心臓病だということを伝える、万が一の備えを淡々と教えつける妹。
発作が起きた時にはネックレスに常にしまってある薬・ﾆﾄﾛを必ず服用しなくてはいけないのだ。
あまりのマイペースぶりと傍若無人な振るまいに圧倒される大の男3人。
早く帰ってもらうように怒る進藤と二階堂、和樹にまで出て行けと言われる始末。そこへ母・りえ子から電話が・・・そこでも「俺が面倒見るから」と無責任な事を言ってしまう和樹であった。
和樹は進藤らとともにスタジオで有名カメラマン・番場大（竹中直人）の下で雑用をしていた、しかし和樹はクビになったばかりだ。
妹の手前、働かずにはいられない和樹。番場の言葉を無視して勝手に働く。
その頃、和樹の部屋にいる美緒は埃をかぶったカメラを見つけていた・・・怪しむ美緒。
そこへ女性が尋ねてくる、和樹と交際中？の斉藤はるな（酒井若菜）だ。美緒を妹だと知らないはるなは、美緒を新しい女だと勘違い、そこで兄にお金を貸したことも暴露するのだが・・・美緒は自分が妹だと言う事は一切言わず、逆に女を触発する。
お互い和樹がどれだけ自分を想っているかを自慢し合う2人、しかしそこで発作を起こしてしまう美緒。
病院に駆けつけた和樹、しかし軽い発作だったようですぐに家に帰れることに。
ロサンゼルスでも美緒を担当していた高木は和樹に病気の話をする、和樹といえば女医に若干惚れ気味だ。
そして手術の話をそこで初めて聞く、いつ止まるか分からない心臓におびえる日々より、成功率が半分の手術を決意した美緒の気持ちを知り呆然とする和樹。
その頃美緒は研修医・結城秋生（平岡祐太）の注射にイチャモンをつけていた。
病院から帰る道すがら、美緒は和樹におんぶしてとねだる。断れない和樹。心臓の悪い妹は運動ができないため、口だけは達者にならざる得なかったのだ。
美緒は言う、散々憎たらしい事を言っておけば、自分が死んでも周りが悲しまないと。
そして2人は小さい頃の思い出を語り合う。そこでファーストキスを兄に奪われたことをいつまでも根にもっている妹。
だったら早く彼氏を作れと言う和樹だが、美緒は恋愛に興味がないという。
すぐ終わっちゃう恋はくだらないと言う、いつまでも終わらないものが欲しいと・・・美緒は願っていた。
その切実すぎる想いをあえて茶化すことしか出来ない和樹。そしてまた、美緒のとんでもないお願い事が勃発する。
1度でいいからグラビアのような写真を撮ってみたいという、お願いだった。
ルームメイト2人に手伝ってもらい勝手に会社のスタジオを借りる和樹。進藤は言う、協力する変わりにあの妹をロスに帰せと。困り果てる和樹。
しかし、そこでも美緒の毒舌はとどまることを知らず、進藤と二階堂はたじたじ。その撮影の様子を見に来た研修医の結城、そこで和樹が病院に連絡したことを知り、憤慨する妹。
しかし結城は自分が興味があったから来ただけだと伝える、気をまわした和樹は進藤と二階堂を連れ、美緒と結城を2人きりにさせる。
しかしその気の回しに進藤と二階堂は苦い顔を見せる、医者は女垂らしが多いから、美緒は絶対傷つくに決まっているというのだ。
その頃美緒は結城に彼女がいることを見破っていた、しかし2人の距離が遠ざかることはなかった。
そこへ休暇をとっていたはずの写真家の番場が・・・。
スタジオに戻った和樹と進藤、二階堂は驚愕。和樹は散々番場に怒鳴りつけられる。お前はカメラを握る資格がないとまで言われた兄を黙って見ていた美緒は、番場を怒鳴りつけ帰ってしまう。
家についた兄と妹、そこで美緒は全部本当のことを言えと和樹に言う。包み隠さず話し始める和樹、番場のところに弟子入りし何年かは頑張ったが、才能がないと言われ、写真家になることを諦めてクビになっていたのだ。
何をやっていいか分からないという弱気な和樹に、甘ったれるなと叱り付ける美緒。健康で何でもできるくせに、そんな事を言うのは最低だと・・・
しかし和樹は言う、病気を理由に何もできないなんて言うのもおかしい！と。お前に病気のことを忘れるくらいの
恋人を見つけてやりたいと語る。
泣きながら真剣過ぎる眼差しで訴える和樹の姿に何も言えなくなる美緒。そして和樹はもう2度と泣かないとその時決意していた。
かくして悪魔のような妹と奴隷のような兄の壮絶な生活が幕を明けたのだった。
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第1話
病気療養のため、ロスにいた和樹の妹。
10年前に両親が離婚し、母親は美緒を引き取り、ロスに連れて行ったのだ。
この夏、完治のための手術を受けられることになったが、それは命にかかわる難しい手術で成功率は高くない。まだ20歳の美緒にとっては、手術はつらい選択だ。まだ恋もしたことがない美緒は、オペをする前に好きな事をしておきたい、どうせ死ぬなら思い残すことなく、なんでもしておきたいと日本にやってきたのだ。
以前はかわいらしい少女だったが、病気のために甘やかされ、今ではとても生意気でワガママな女の子になってしまった。そして、10年ぶりの兄との再会。
「美緒の願い事は、いつだってお兄ちゃんがかなえてやるよ」という昔の約束を思い出し、今まで出来なかったことを、ここぞとばかりに兄の和樹に要求する。美緒の手術のことを知っている和樹は願いを叶えるために奮闘する。美緒はステキな恋、そして最高のファースト・キスができるのか？
美緒の兄。カメラマン志望だが、いまだアシスタント。
10年前に両親の離婚で別れ別れになるまでは、志高くカメラマンになる夢を持っていた。
しかし、父が新しい妻と暮らすために家を出、ひとり暮らしとなってからは、女たらしのだらしない生活を送っていた。それでも、なんとかプロになりたいと有名なカメラマンの弟子となった。が、その師匠とそりがあわず、仕事に限界を感じてもいた。
今は、仕事仲間でもあり、高校時代の部活仲間でもある、悪友の家に転がり込み、怠惰な共同生活を送っている。そこへ、妹の突然の帰国。10年振りの再会ということもあり、無理やり生活を取り繕うとする。しかし、和樹に劣らず、美緒も変わり、驚くほどのワガママ娘になっていた。こうして、ひと夏、そんな妹に翻弄されることとなる。
和樹と同居中のスタイリスト・アシスタント。
高校時代、卓球に熱中していたが、あるきっかけがあり、ファッション界に興味を持つ。そして、無謀にもスタイリストの道へ。しかし、その才能はなかなか開花しない。今は後輩で、職場も同じところの一流の家に、和樹とともに転がり込んでいる。
和樹と同居しているメイクアップアーティスト。こちらはアシスタントではない。
元々、親が所有していた家に一人暮らしをしていたが、高校時代からの悪友・和樹と勝が転がり込んできて、共同生活をするはめになった。家事は三人で分担するはずだったが、気がつくと、自分ひとりがやらされている……。
美緒の日本での担当医がいる白鷺大学付属病院の新人医師。
美緒のはじめての採血の際、「痛い！へたくそ」とののしられ、「嫌な患者だ」と思うが、どこか気になる存在で、不思議と心が通じ合うことも。その後も、何かと美緒の助けになることが多いが、ふたりとも、あえてつっけんどんな態度を取る。
銀行員で、ファッション雑誌の読者モデル。和樹のルックスに惚れていて、自分は彼と付き合っているつもりでいる。時折、お小遣いをあげたりしていたが、他に女がいることに気づき、「お金返して」と和樹の家を訪れる。そんなとき、美緒と知り合い、憎まれ口を叩きながらも何故か意気投合、人生初の親友となっていく。
個性派の有名カメラマン。自分のスタジオを持っており、主な仕事はファッション誌のグラビア撮影。アシスタントに厳しく、衝突することも多い。和樹もその一人だったが、番場としては和樹の才能はどこか認めている。
JASRAC許諾番号
6834131007Y41011
Blau
6834131007Y41011
